Modest Comments on What I Have Read


Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
by akai1127ohi
プロフィールを見る
画像一覧

<   2013年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧

政治時評(38)ー辺野古埋立をめぐる仲井真知事の「二面性」

仲井真知事が辺野古埋立を承認した。仲井真知事にはこれまで、「沖縄」の知事としての側面と、「自公推薦知事」という側面の二面性が、相互に交錯しながら常につきまとってきた。

「沖縄」の知事としては、無論、他県在住の私がその決断にどうこう言う性質の話ではない。しかし同時に、「自公推薦」の知事としては、結局、鳩山政権の「最低でも県外」路線によって動揺した態度が、自民党政権復帰によって一周回って最初の役回りに立ち返った、という印象が強い。

               ***

仲井真知事は、2006年に自公推薦で、実質的に「辺野古やむなし」の腹で当選しながら、思いもよらぬ2009年政権交代と鳩山政権の「最低でも県外」発言で二階に上がった梯子を外された形であった。

とりわけ、2009年の民主党鳩山政権成立以後の仲井真氏の言動は、全く理解に苦しむものであった。「最低でも県外」を掲げた鳩山首相に対し、仲井真知事の態度は、「決定の唐突さ」を理由に「不快」、「困惑」を示すに尽きるものであり、結果的に、鳩山の足を引っ張る働きをした。

いかにやり方が稚拙とはいえ、猛攻撃を受けながらも「最低でも県外」で動いた鳩山を、沖縄県知事がさらに足を引っ張るというのは、沖縄県知事としての背信行為ではなかったか。

               ***

仲井真氏はそれ以後、「沖縄の代表」と「自公推薦知事」という二律背反のなか、世論の圧力に押される形で、前者の立場にしぶとく傾斜してきた。その限りで私も、事態の膠着を注視してきた。

しかし、2012年の自民党政権復帰によって、結果的に、今回の知事の態度は、2006年の当選当初に、自民党中央の指図通りの役回りを、一周回って引き受けた形としか受け止められません。

              ***

「十分抵抗した、十分意見は伝えた、十分実は取れた、だから―」という仲井真知事の態度は、オスプレイ配備をめぐる福田岩国市長(自民党推薦)とまったく相似と感じる。

自公推薦によってそれまでの革新系首長を放逐し、「地元の反基地感情は厳しい」などと一芝居打ちつつ、最後は「苦渋の決断」をする、そんな「自公推薦知事」の役回りが一般化しないことを願う。
[PR]
by akai1127ohi | 2013-12-28 01:15 | 政治時評 | Comments(0)

2014年都知事選:「最善の探究」と同時に「最悪の回避」を

韓国の野党圏政治を見ていて常々度胆を抜かれるのは、盧泰愚の前に金泳三と金大中が分裂立候補した1987年大統領選の教訓が血肉化されていることです。およそ30年の民主化闘争の成果としての1987年の民選大統領選で、野党圏の分裂によって軍人出身大統領を許したその痛恨や、いかばかりだっただろうか。

それ以後、選挙の度に「統一候補」に向けた韓国野党圏の努力は実に並々ならぬものを感じる。それぞれが独自の目標や理念をしっかりと把持しながら、政治決戦においては、最後の最後で、共倒れを避けるために各派各政党がなんとか「戦略的に」行動する。それも本当に最後の最後の駆け込み的に、それでもなんとか最後は、野党圏の統一戦線になる。

「野党圏」がまとまって予備選挙を行ない、朴元淳を統一候補を選びだしてハンナラ党候補を破った2011年のソウル市長選挙は、そのような韓国野党圏の真骨頂だった。1987年大統領選の苦い教訓が口をついては互いに想起され、多くの野党圏の人に刻まているがゆえであり、いわば「最悪」を避ける政治的知恵、「1987年」の再来を回避する政治的努力だろう。

これは、「最善」を要求することに急で「最悪」を回避することに意識がまわらず、したがってまんまと安倍政権という「最悪」を招来させた/将来させることを防ぎえなかった、私を含めた日本リベラル左派にとって、強く拳拳服膺すべき構図と思う。

               ***

外国の例を持ち出しながら、漠然と「野党統一」、「革新統一」が大事だといえば、多くの人が同意するかもしれない。しかし、それが日本の、東京の、自分たちの持ち場での話となると、「候補者統一」といっても、にわかにあいつの顔、あいつの顔が浮かんで、感情も揺さぶられ、きれいごとではいかなくなるのが実情かもしれない。

とはいえ、やはりそれが、「野党統一」、「革新統一」ということであり、韓国の野党圏統一は、「遠い国の美談」なのではなく、そのようなリアルな感情を乗り越えての政治的達成なのであり、試されているのは、日本のわれわれが、そのようなリアルな感情を乗り越えて、政治的につながり、何を創り出しうるか、ということだと感じる。
[PR]
by akai1127ohi | 2013-12-26 02:10 | 政治時評 | Comments(0)

イラク戦争10周年の節目に

伊藤めぐみ監督の映画『ファルージャ』を契機に、もはや「そういえば」というような感覚で、今年がイラク戦争10周年だと想起した。

今から10年前の2003年3月、私は春休みを利用した語学研修のためアイルランドの首都ダブリンにいて、ちょうどイラク戦争の開戦と私のダブリン滞在とは重なった。その時のことを書いておきたいと思う。

               ***

アイルランドの駅頭ではアイルランド紙とイギリス紙の両方が売っており、イラクへの査察継続か開戦かをめぐり国連安保理情勢が緊迫した2003年3月、その様子を報道する英愛紙を、およそ世界情勢とは無縁なほど静かな、ダブリン郊外のギルナゲアリーという小さな海辺の駅で読んだ。

欧州における小国アイルランドの外交上の位置は微妙で、イギリスとは複雑な歴史的対立関係にありながら、その反面、アメリカには移民も多く伝統的に友好関係にあった。イラク戦争に対するアイルランド政府の立場も微妙で、EUでは undecided、国連では neutral という曖昧なものであったが、アイルランド西部のシャノン空港ではアメリカ軍機の「再給油(refuelling)」を許可しており、その意味で間接的な後方支援は行う、というものであった。

               ***

ダブリンの中心部、トリニティ・カレッジの入口の学生掲示板に、そのシャノン空港での反戦行動のチラシが張ってあり、「参加希望者は電話で事前連絡せよ」と書いてあった。公衆電話から指定された番号に電話をかけ、英会話上最大の鬼門である「電話越しの会話」に四苦八苦しながら、何とか参加の意志を伝えた。

ダブリンからの反戦行動は、バス一台を借り切ってそのシャノン空港におしかけ、空港周辺でデモやダイインを行うというものだった。

               ***

ホーム・ステイ先のホスト・マザーだったシェリーアさんは、料理と掃除(のみ)を自らの職責と考える良妻賢母で、私がしばしばコノリー書店で買い漁るトロツキスト系の機関紙を部屋に散らかしておくと、それらを怪訝そうに眺めては、掃除してもいいかと尋ねた。

「今度の日曜はシャノンのデモに参加しようと思います」というと、案の定いい顔はしなかったが、「過激な連中に近づくな」と忠告しつつも、ボリュームあるサンドイッチを作って持たせてくれた。

               ***

当日、朝一番に集合場所であったコノリー駅の近くの労働組合会館前に向うと、すでに大型バスが一台止まっていた。試され済みの老活動家もいたが、若いプチ・インテリ風の参加者も多かったのが印象的だった。

シャノンはアイルランド西部の街で、東端のダブリンからはちょうどアイルランドをちょうど横断する格好になり、一日仕事だ。

往路、バスの中で活動家風の女性がシャノンでの抗議活動の態様について説明をしていた。シャノンでのデモ行動は、逮捕を辞さずに有刺鉄線にとびかかる少数の先鋭部隊と、それらに対して後方から「精神的連帯(mental solidarity)」を送る多数の穏健なデモとに分かれるので、それぞれ自分の持ち場で最善を尽くしてほしい、とのことで、私を含めた多くの参加者は後者の穏健デモ隊で参加することになった。

               ***

昼過ぎ、バスはシャノンの大きなスパーマーケットの駐車場に着いた。
すでにアイルランド各地からデモ参加者が集まっており、これはかなりの大規模なデモだとわかった。老人、家族連れ、子どもなども多く、思い思いの旗やバナーを掲げて空港まで行進するという算段だ。ただ、アジア系の容姿をした参加者は、見た限りでは私一人だった。

スーパーマーケットの駐車場から、シャノン空港までの行進に出発。道中、空港のフェンス越しに、「幸せなら手を叩こう」のメロディに合せて、 If you hate Bush clap your hand, if you hate Blair clap your hand♪ と歌ったり、金網ごしにシャノン空港のなかの米軍機に向って、 Hey, hey, U. S. A! How many kids did you kill today? という掛け声を合唱したりした。

沿路には警官が配置され、先鋭的な運動家たちがその警官一人一人に向って指さしながら、「shame! shame!(恥を知れ!)」と指弾して歩いていて、警官たちは今にもブチ切れそうな怒りに満ちて睨み返していた。

それ以外は全く平穏なデモだったが、このデモは翌日のアイルランド紙にも大きく報道されていて、やはりデモの一番先頭の箇所では、数名の逮捕者が出たようであった。

最後はシャノン空港前でダイイン。

               ***

夕方4時ごろだっただろうか、帰路のバスの集合時間が迫っていたので、バスの駐車場に戻ると、集合時間に帰ってきたのは私だけだった。

出発時間の5分前、参加者が戻ってくる気配が一向になかったので、運転手さんに「5分で戻るからすぐそこのスーパーに行ってきてもいいですか?」と尋ねると、なんでいちいち許可をとるのかというような顔をされた。結局、時間から40分ほど遅れたころにぞろぞろと参加者たちがバスに戻ってきて、それでバスは出発した。

帰路のバスは、concerned citizenとしての公共的義務を果たした参加者たちの充足感が漂っており、穏やかな空気が流れていた。

私の隣には、やや小太りで小さな眼鏡をかけた30代くらいのインテリ風男が座っており、道中に幾度か話をした。男は、ペンギン・ブックス版のMaupassant、『Life of Woman』を読んでいたのが印象的だった。

道中、バスは何度か休憩所に止まった。この休憩所というのも、街の比較的大きなパブ兼雑貨屋さんのような所で、菓子やサンドイッチが売ってあるコーナーの奥には、たいていパブが付設してあった。おそらく地域の名家のようなパブで、コミュニティセンター的な機能を果たしているところだろう。私の横の座席の小太りインテリ男は、休憩所に留まる度に、他の参加者と歓談しながら、あたかも当然のごとく1パイントのギネスを飲んでいて、それでいて一向に酔っぱらわない様子が印象的だった。

               ***

シャノンからダブリンまで、夕陽の照らす草原を走りつつ、ふと小さな街に入り、家々があり、小川があり、その街を出るとまた黄金色に輝く草原を走った。バスの窓を全開にして、すばらしい光景だった。後方座席から誰のものともいえない3リットル級ボトルの炭酸水が回ってきて、それをラッパ飲みしては、前の席の人にまわした。誰かが「Give us music!」と叫ぶと、誰かともなく歌を歌う人もいた。

参加者がバスを下車する場所も全くアドホックで、ダブリンへの帰路の道中、「家に近いからここで下してくれ」という人が出てきて、高速道路のようなところで幾度となく停車。下車する参加者は、皆に「じゃあな」というような挨拶をしてバスを降りると、車が途切れた瞬間を見計らって道路をヒョイと渡って、ダブリン近郊の街並みの中に消えて行った。

               ***

どっぷりと陽が暮れてきた頃、延々と続く高速道路の先に、うっすらと、夜の闇のなかに優しく光るダブリンの灯が見えてきた。
[PR]
by akai1127ohi | 2013-12-17 00:33 | 散文 | Comments(0)

伊藤めぐみ監督『ファルージャ』(2013年)を見て

伊藤めぐみ監督『ファルージャ イラク戦争・日本人人質事件・そして』を見てきた(新宿バルト9)。日曜夜9時半からのレイトショーなのに客席は満員。上映後は伊藤さん、高遠菜穂子さん、今井紀明さんのミニトークセッションもあった。

映画の印象は安易な要約を許さないものですが、伊藤監督の10年越しの問題意識の深みと、「被写体」に対する映画監督としての真摯な姿勢、また、もはやそういえば確かにという感覚で、十年前にイラク戦争を確かに支持したこの国の政府の責任を想起させるもので、鮮烈な映画体験でした。

とりわけ、務めて多面的、抑制的な構成ながら、「誰のためにどのように生きるか、私は選びたいと思います」という映画最後のナレーションは感動的で、これは初めての経験でしたが、上映後にスクリーンに向かって拍手が起こった。

映画はこれから全国的に上映予定とのことです。
監督インタビュー
[PR]
by akai1127ohi | 2013-12-14 00:23 | 散文 | Comments(0)
ブログパーツ
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
venusgood.com
from venusgood.com
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
イカー!イーカチュー!!
from イカチュウ
総員第一種戦闘配置!!
from 司令
しょーすしょすしょすw
from びえぶ
ちょちょちょ(^^;
from さい8
ライフログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧