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Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
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4・11 韓国総選挙と野党圏共闘の成立

韓国では4月11日に迫った総選挙を前に、最大野党の民主統合党と、統合進歩党との野党共闘が実現した。

金大中の流れを引く最大野党の旧民主党は、盧武鉉系のウリ党出身の人たちと合同し、現在の民主統合党となった。代表には金大中政権で女性相、盧武鉉政権で首相を務めた韓明淑氏が就任。韓氏の党運営は、候補者選定過程では親盧派を優遇したとして批判されたが、とりあえず乗り切ったようだ。

統合進歩党は、韓国の政党では最左派であった民主労働党と、「盧武鉉精神の継承」を唱える国民参与党などが糾合した左派政党である。(旧民主労働党は、盧武鉉大統領の下、韓国政治が進歩主義に傾いた2004年の総選挙で躍進し、長らく権永吉という人が党首をしていたが、2010年から李正姫に代わった。国家保安法がなければ「社会」労働党ではなかったかと思う)。民主労働党時代から引き続き、李正姫氏が共同代表を務めている。

結果的に、民主党統合党は親盧派を取り入れることで若干左傾化し、統合進歩党は「盧武鉉精神継承」の国民参与党などを合同したことで若干リベラル化したので、韓国の野党圏は、全体的に一致点が左に移動した形で、両党は相対的に近づいたといえよう。

               ***

民主党統合党と統合進歩党との野党圏共闘運動は、各選挙区における両党間の「予備選挙」によってなされた。選挙区の有権者に世論調査を行い、支持率の高かった方の候補を野党圏統一候補として両党が支持するという仕組みだ。

企業に単に「私的結社」に留まらない公共的責任があるように、政党もまた単に私的結社に限定されない公共性があろう。その意味で、政党内での候補者選定の過程にまで有権者の意向を反映させるこの「予備選挙」は、日本の政党も参考に値するだろう。

しかし、「予備選挙」の過程で、統合進歩党の李正姫代表の選挙区(ソウル)で、李正姫陣営によるでの予備選挙への不正介入が明らかになり、民主統合党側がこれを強く非難、野党共闘は崩壊の危機に瀕した。最終的に、李正姫が総選挙への出馬を辞退するという決断を示し、民主統合党もこれを尊重、最終的に、野党圏共闘が確固としたものとなった(ハンギョレ新聞日本語版)。いずれにせよ、李正姫氏の今後の活躍に大に注視し、期待したい)。

予備選への不正介入は、倫理高潔を唱えてきた進歩党にとっては少々「あこぎ」とされよう。しかし、それで李正姫自身が立候補辞退というのは、大変厳しい判断であり、不釣合いなほど重いとも感じる。しかしいずれにせよ、進歩統合党は、進歩の「道義性」を見せつけるがごとく十分すぎるほどの責任をとった。民主統合党はこれを重く受け止め、野党圏共闘の精神を尊重すべきであり、実際、動きはそのようになっているようである。あらためて、野党圏共闘というものが、多くの困難と障壁を乗り越えた末のものであると痛感する次第だ(野党連合の選対本部立ちあげのニュース)。

               ***

4・11総選挙、そして12月の大統領選挙を控え、韓国の政治は、大きく貯めを作り、エネルギーを充満させた二つの大きなみこしが、紆余曲折をへても最後には団結し、堂々とぶつかる如きダイナミズムがある。いずれにせよ、4月の総選挙を注視して行きたい。
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by akai1127ohi | 2012-03-26 13:07 | Concerned Citizen | Comments(2)

ある日の出来事


東京都S区の留学生会館で、地下ボイラー室の管理人がアジアからの留学生(女性)を大声で怒鳴る現場に遭遇した。同会館のラウンジでのテレビのチャンネルをめぐる争いが発端であった。ボイラー管理人は、泊まり込みなのだろうか、夜半に泥酔しており、「排外的」とされる(べき)言葉を繰り返した。そして手に持ったビール缶を床に叩きつけると、床上に泡が吹き出た。すでに、ある種の絶望的な現場であることは、自明なのである。

留学生は賢明にも中途で退散したが、かけつけた寮の警備員と私の前で、ボイラー管理人は、大阪の某がメディアで頻繁に口にして以来われわれの社会の人口に膾炙したあの言葉を、決めセリフのように口にした。「俺は税金を払っている。あいつら税金で暮らしてるんだろう」。

深い皺の刻まれた初老のボイラー管理人の前で、私はどのような「常識」を述べるべきか戸惑った。「税金を払っている」ことが鬼首をとったかのような決め台詞として流通することにも強い違和感を感じた。しかし同時に、正直、留学生に対して「理解者」の如くふるまう私自身の顔にも、なぜかそこはかとない居心地の悪さを感じた。

地下室のボイラー管理人は、泥酔の上、留学生の国籍に特徴づけた否定的言辞を言い立てた。そこには、自分のストレスの発散という機能もあるのだろう。この場で理性的に反論ないし説得することは無意味というよりむしろ逆効果であり、何より眼前の激高を鎮めることが肝要だと私は感じた。同時に、「理性的に説得する」ことを放棄するとは、「排外的」言辞との原理的対峙を(少なくともその場では)回避することでもある。

他方、留学生に対しては「安心」させたいと思った。このような国籍を理由にした攻撃的言辞を表明する人物が異国での生活の場に日常的にいるというのは、私であれば不安だ。

しかし、「排外的」言辞を(当の発言者に対しその場で)不問にしながら、留学生には「安心」を感じさせようとする時の私の「顔」というのは、鏡に映るとどう見えるのだろうか。私は、そのような自分の顔を見たいと願った。それはおそらく、この上なく「きまりの悪い顔」であろう。さらに加えて、このような言辞に自身の憤懣の爆発先を見いだすボイラー管理人の前で、いわば「和の精神」とでもいうべき凡庸な「常識」でその場を取り繕う以外に、私にすべきことがあるのかと、無空の暗闇のなかに、誰かれもなく問いたい思いにも駆られた。

事態が収束した後の現場に、先ほどボイラー管理人が叩きつけたビールの飛沫だけが、どこか虚しい香気を漂わせていた。
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by akai1127ohi | 2012-03-19 09:44 | 散文 | Comments(4)

3・11という象―「想起継承脱原発精神」

60年安保闘争後、「群盲象をなでる」という言葉が口にされた。一部を見て全体を論評する弊を戒めるものらしい。たしかに各人が見える範囲は限られている。しかし各人は、その範囲では確実に象に触れてもいる。「いくらか見えながら、しかし時には大半のことが見えないままで歴史に参加する」(日高六郎)というのが、人と同時代との関わり方の常であろう。「群盲象をなでる」という言葉は、本義に反し、自分の認識の誤謬性と確実性の双方を想起させるように思える。

               ***

デモは、「参加すべき」ものではない。「もしよろしければいかが」で語られるべき類のものであろう。デモは義務ではない。あくまで個人の都合や主体性に俟つべきものであろう。

3月11日に私が参加したデモでは日比谷から国会へ、そしてヒューマン・チェーンへ。子ども、若者、高齢の人など多様な参加者であった。天気雨が通り過ぎるたびに、雨上がりの薫風が漂った。「イルコモンズ」というバンド即興演奏が大変素晴らしく、国会図書館前の路上で聞き入った。奥にそびえる国会図書館が北京故宮になり、清朝の大雅楽団が現れたかの様相であった。国会を取り巻くヒューマン・チェーンは、60年安保以後はじめてという声もあった。

3・11という「象」。その日、おそらく多くの人が、それぞれの場所で、それぞれの思いで、今日という大きな象の「一部」をなでたのだろう。私が触れた、ささやかな「象」の一面だ。「復活継承60年安保精神」「想起継承脱原発精神」。昨年の今ごろ、原発事故後の不安のなかで夜を過ごしたあの緊張感を想起する、そんな意義のある日としたいと感じた。


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写真は日比谷公会堂を出発するデモの人々。

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写真は経産省・脱原発テント前。

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写真は国会を取り巻くヒューマン・チェーン。
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by akai1127ohi | 2012-03-15 22:07 | Concerned Citizen | Comments(0)

【詩】 球場

球場の本質は静寂である

動作といえば
帽子をかぶり直したり
滑り止めのロジン・バックをいじったりする
投手の準備活動だけである

球は投手によって管理されている
不意の牽制により白球の軌跡が描かれても
せいぜい一塁手のグローブに落ち着く
球はダイヤモンドのなかで管理されている

牽制で生じた逸脱も
投手がプレートに足をかければ
球場は再び静寂へ回帰する


次の瞬間、乾いた打球音が響く

球は突如
守備陣の支配下を勢いよく飛びだし
二遊間を突き抜ける

画鋲で止められた地図上の記号のごとく
左右対称を維持していた9人の布陣は
不意を衝かれて定点を崩される

攪乱された均衡の間隙を縫うように
打者は一塁を駆け抜け
二塁を目指し
あわよくば三塁への野心を表す

突如乱されたフォーメーションはしかし
ものの5秒で一直線の中継線を形成し
外野の奥深くから中継手へ
中継手から内野手へ
球は迅速にダイヤモンドへ返却される

追加の襲撃を警戒する野戦兵の眼差しで
内野手は二塁塁上の走者を睨みつけると
球を静かに投手へ委託する

にわかに三塁への色気を見せた走者が
自身の不遜を悟るかの如く塁上で汗をぬぐえば
ひとまず事態は収束する

球は再び投手の管理下におち
球場は静寂という本質へ回帰する
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by akai1127ohi | 2012-03-08 00:25 | | Comments(4)
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