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Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
by akai1127ohi
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カテゴリ:詩( 41 )

【詩】 伝言

届くかどうか

わからぬまま放たれた伝言


届くかどうかわからぬまま

わからぬがゆえ

ただ信じることだけを頼りに

残された伝言


人為の届かぬ無現の未来にむかって

ただ信じることに一切をゆだね

あなたに伝えようとしたメッセージ


もはや時の流れに消されながら

信じる意志だけが存在している


消えた文字の空白に

何かを必死に伝えようとした

たしかな意志だけが存在している


祈りだけを込められたまま

今なお彷徨ういくつかの言葉

ただ信じることだけを駆動力にして

今なおあなたに向かい続ける伝言


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写真はいずれも広島市立袋町小学校平和資料館



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by akai1127ohi | 2017-02-22 01:15 | | Comments(0)

【詩】 民衆の声

聞こえないか
民衆の声が

支持とも批判ともつかぬ眉間のまま
宣伝カーを通り過ぎる人々の群れ

混迷のなかで
路上に佇む生活者の表情

革命を求める声ではない
本性は保守的で
小さな変化が巨大なエネルギーに
転化するのを怖れている

反動を諦め受け入れる声ではない
現状ではだめだと感じながら
小さな一歩を求めてもいる

変化を求めながら混乱を怖れ
新しい一歩を踏み出そうにも逡巡をくりかえし
バツの悪い顔でそっと隣を様子見する
そんな民衆の表情

そんな人々の退嬰的で小市民的な
民衆の声
そんなたしかで健全な
民衆の声

聞こえないか
そんな声が
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by akai1127ohi | 2016-04-18 12:12 | | Comments(0)

【詩】 絵描きは絵だけ

絵描きは絵だけ
絵だけを描いて下さい
仲間喧嘩をしないでください

絵描きは絵だけを修練し
早く国際水準に到達して下さい

絵描きにあるのは
画業への廉直と禁欲
形の習得と沈潜すべき精神世界です

同時代の行末に首をつっこみ
恥をかく必要はないのです
集中を乱すオルグの訪問に
いちいち反論する必要はないのです

絵描きは絵だけに忠実に
画業に専念すればいいのです

芸術
それは世俗の利害を超越した
普遍性と永遠性への貢献

一知半解なまま同時代に口を挟み
新聞の受け売りを繰り返す必要はないのです
永遠の価値に貢献するため
「社会意識」は不要です

絵描きは絵だけ
画業に専念するのです

抵抗意識がないのなら
あるふりしなくてもいいのです
探し回らなくたってもいいのです

絵描きは画業に忠実に
絵だけ描いてりゃよいのです
絵描きは画業に禁欲し
絵だけ描いてりゃよいのです
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by akai1127ohi | 2015-12-06 22:00 | | Comments(0)

【詩】 弁証法

弁証法は
突然不意に訪れる
正反合のトゥリアーデは
意識してない時に発揮される

それゆえ反は、いつも不安だ
弁証法は常に不安とともにある
それゆえ事物の進展は
諦めと紙一重の先にある

反はいつも全力で
本気で潰しにかかってくる
それは調和を導く呼び水ではない
こちらが事前に用意した
物分りの良いサクラの質問者ではない

攪乱されてとっ散らかって
解決できない矛盾に呆然としながら
未遂に終わった可能性

だからこちらも本気で抵抗する
本気と本気のその先に
合が導かれる

もういいかげん
この努力は流産だったと諦めた時
不意に弁証法が現れる

予定調和は弁証法を導かない
あらかじめ合が準備されている反は
反ではない

弁証法はいつも不安とともにある
物事の進展は
常に不安の先にある
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by akai1127ohi | 2015-07-28 02:54 | | Comments(0)

【詩】 裸の王様の強行採決

裸の王様は家族思いだ
少年だった自分を
いつも膝の上で抱いてくれた祖父

奥手で内気だった少年は
とりたてた蛮勇の持ち主ではないが
祖父の悪口だけは許せない
学園の社会科教師に
公然と反論する反逆児の一面を覗かせた

周囲の誰もが
それが合理的だからではなく
それが「家族」の話だったがゆえ
少年の自己主張を認めてやった

1960年6月
「国際共産主義者」に囲まれた国会
祖父がブラインド越しに外を眺めると
深夜の総理執務室に
総理の弟が角瓶片手に入ってきた

兄さん
死ぬときは一緒です
今夜は飲みましょう

それが裸の王様の原風景だ
国政を担う政治家の責任だ
あの優しかった祖父の信念だ

そんな夢想を膨らませていると
目の前でワーワー騒ぐ関西女の大声に
裸の王様は現実に引き戻される

このアマが

妄想を中断されて不機嫌な王様は
宰相らしく言いかえしてやった

「早く質問しろよ」

蜂の巣をつついたように議事が紛糾し
隣の委員長席に野党が駆け寄り騒いでいる
裸の王様は議会運営を慮って
ほんの少し後悔する
でもまあいい、三日で国民も忘れるだろう

さてどうしようか

裸の王様は
自身の強行採決によって
国会を取り囲むデモの隊列を想像する
首相官邸のブラインドの隙間から
そのデモ隊を眺めては
国政への責任を果たす自分の姿を憧憬する

裸の王様は
その夜に備えて
飲めないウイスキーをひとさじ舐めてみる
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by akai1127ohi | 2015-07-18 03:06 | | Comments(0)

【詩】 裸の王様の欧州見聞

国際会議に出向くにあたって
裸の王様は考える
ストライプの背広はいいとして
ネクタイは赤にするか青にするか

政府専用機に乗り込む
裸の王様のご出発

裸の王様は言葉がわからず
円卓に座っても話にまったくついて行けない
しかしこれで数回目
用意された通りに発言し
時折笑っていれば
大過なくやり過ごせることはもうわかった

記念撮影にあたって
裸の王様は少し思う
俺も初めてじゃないんだから
もう少し真中に寄ってもいいんじゃないか

裸の王様は
無名戦士墓に献花する仏国大統領に嫉妬する
戦勝碑で神妙な顔を作る英国首相を観察する
イラクで死んだ若者の名を呼ぶだけで
超党派の拍手を浴びる
アメリカ大統領に憧れる

帰路の飛行機で
裸の王様は考える
俺だって
肩を並べたっていいだろう

機中から眺める無限の大空に鼓舞されて
裸の王様の心はむくむくと湧きたつ

俺も同じように
青天と新緑の Tokyo で
管弦楽器の大演奏のなかを
はるか遠い空を見つめるまなざしで
殉職自衛官を追悼する
厳粛な式典を挙行したい

成田のタラップを降りると
裸の王様のまっすぐな夢は
また一つ膨らんだ
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by akai1127ohi | 2015-05-19 00:17 | | Comments(0)

【詩】 余計な心配

暗い部屋の向こう側で
人知れずすすり泣く声がする
私の心を動揺させる
あなたの静かな心の汗

「泣かないで」と囁くべきか
「泣いてください」と促すべきか
そのすべをまるでわからないまま
時だけを過ぎさせている私

慰めることができるとは思わないけど
とにかくあなたに寄り添いたい
それは何とも
余計な心配なんだけど

あなたは真冬の寒風でも
朝早くから中庭で業務をこなす
どうすることもできない
組織の仕事

あなたの肩にふりかかる
おそらく予想だにできない日々の仕事を
手伝うでもなし
無関心でもなし
ただ見守るしかない警備員

しかし吊るされた物干しラックには
まるで芸術品のようにタオルが並んでいる
そのことだけは
伝えてみたい

誰であれ人を差別せず
軽い足取りで思いやりを示す心
きれいな青のスリッパを
子どもに放られるあなた

とにかくあなたを励ましたい
もっと褒めたい
私しか発見していない
あなたの本当の魅力

もし可能なら
朝の洗濯物を干し終えたあなたに
そっと暖かいココアを差し出したい
あなたの両手が
それを静かに握り包んでくれるよう
それは本当に
余計な心配なんだけど



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by akai1127ohi | 2015-04-11 23:22 | | Comments(0)

【詩】 新入生

一直線に伸びた銀杏並木の向こうから
新入生が歩いてくる
長い冬のわだかまりを忘れさせる
春の駒場

色とりどりの立て看板と
真新しいシラバス
電車で二駅で
そこに渋谷がある興奮

故郷の方言をどこか誇らしげに演出し
務めて軽薄を演じる君
肩を組んで歩きながら
まだ本当には心を許していない19歳たち

「リア充」を自負しながら
どこか不安に怯える君
大学生活の解放を感じながら
むしろ孤独を恐れている君

下高井戸の1DK に帰れば
まだ梱包を解いていないダンボールに
武蔵野の夕日が刺し込んで来る

でもほら
見てごらん

故郷の街は
もはや君のことなど忘れて
今日も同じように動きだしている

思い出の交差点をせわしく往来するバスは
いつものように乗客たちを乗せ
まるで何も無かったかのように
今日も再び故郷の街を走り出している
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by akai1127ohi | 2015-04-07 01:15 | | Comments(0)

【詩】 It’s no longer mine.

歩き疲れて座ったベンチに
あなたが置き忘れた手袋を
気づかれないようにそっと拾って
「もう僕のもの」とからかった

所有権の移転
届出義務制
自由社会の権利原則

法学部生の理屈で話題を作りながら
二人で石畳の坂道を下った
歩くように、歌いながら

別れ際にあなたは
物惜しみなく
その手袋を私にくれた

It’s no longer mine.
It’s already yours.

冬を越すたび
あなたのものが
私のものになっていく

別れ際に私は
手袋の代わりに
あなたに本をあげた

十分に私の感傷的価値が付着された
私の所有物

その本にはすでに
あなたが好んで開く頁の型があり
あなたの引いた線がある

あなたが朝の台所で食べる
アンチョビ・カナッペの染みも

冬を越すたび
あなたもまた
遠い冬の記憶を思いだす

冬を越すたび
あなたのものになっていく

It’s no longer mine.
It’s already yours.
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by akai1127ohi | 2015-03-13 14:17 | | Comments(0)

【詩】 Why you so pensive?

ミュンヘンからダヴィドの車に乗せてもらい
雪で覆われたバイエルンの景色を眺めた
2005年・冬


どこまでも続く白銀の世界
車窓から異国の冬を眺める私に
ダヴィドが問いかけた
Why you so pensive?


それ以来
pensive という言葉を聞く度
雪で覆われた冬のバイエルンを思い出す


          *


教室を徘徊しながら
授業の合間にふと雨の銀杏並木を眺める
2014年・冬


昨晩を下町の暗い保育室で
おもちゃに囲まれて身を休めた若い英語講師に
学生が問いかける

先生、”Ellis Island”ってどこですか
それから
Why you so pensive?


一瞬、雨に濡れた駒場の銀杏並木に
深々としたバイエルンの冬景色が重なる


          *


気がつけば隣の教室から
米国人教師の歌が聞こえる

Do you know the way to San Jose?
I’ve been away so long

サンホセは暖かく
場所があり、空気がある
そしてカリフォルニアの大地に
陽が落ちていく


それなのになぜ
Why you so pensive?
Why does it make me pensive?




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by akai1127ohi | 2014-12-15 21:24 | | Comments(0)
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