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「持続的な瞬間—オクスフォード経験記」 (その2)

「持続的な瞬間—オクスフォード経験記」 その2「オクスフォード大PPEにおける教育」

オクスフォードに着いてまずはじめの印象は、学問におけるその世界的名声とは対照的に、街自体は極めて小さな規模だということだった。人口は約13万で、Corn Market Streetと呼ばれる一つの大きなメイン・ストリートを除いては、街の中心と呼ばれうるにぎやかな場所はない。街の大きさは、東大の敷地と上野公園をあわせたくらいのもので、そのなかに40のカレッジと、いくつかの図書館、博物館、研究所などが点在している。

オクスフォード大で私が属したのは、Philosophy, Politics and Economics、略してPPEと呼ばれるオクスフォード独自の学部である。この学部では、一年次には哲学・政治学・経済学の三教科全てを履修することが義務づけられているが、二年次にはそのうち一つを切り捨てることが許され、三年次になると、哲学、政治学、経済学の三つともを依然として履修している人はtripartiteとして学部内でのひそかな尊敬を集める、という様子である。

オクスフォードでの教育の中心は、週に二回、一回一時間のチュートリアルである。チュートリアルは、教師一人に学生が一人(あるいは二人)というのスタイルで行われ、冒頭、学生が、先週教師から与えられた問いにたいする自分のエッセイを読み上げ、その後に教師のコメントおよび議論にいたる。

チュートリアルは主に自分の所属するカレッジで行われるが、それに加えて、街全体に点在する各種の講堂、研究所、図書館附属教室などで行なわれるレクチャー(いわゆるマスプロ授業)がある。レクチャーは日本の大学でいう講義とほぼ同様のものであり、学生は、基本的にはチュートリアルの教師が推薦するものに出る。オクスフォードにおけるレクチャーの位置づけは、日本の大学でのそれにくらべるときわめて低く、チュートリアルのための周辺知識の補強にすぎない。レクチャーは全て50分−形式的には一時間だが、5分遅れて始まり5分早く終わるという慣習がある−で、出席や小テストなどは全くない。したがってターム中の学生の生活は、街をせわしなく移動しながら一日に二つか三つのレクチャーをはしごして、あとは図書館か自分の部屋にこもってエッセイを書くというものである。

しかしながら、レクチャーの題目や内容は非常に多岐にわたり驚かされる。たとえば、東大では週一時間の「政治学史」という講座のなかで教えられることが、実に様々なレクチャーに細分化されて、それぞれにおいてより丁寧に教えられている。プラトンやカントなどの大思想家はもとより、例えばギリシアの原子論やスコラ学のドン・スコトゥスのような、比較的まじめに自分で本を読む種類の日本の学生がかろうじて知っているような学者について、その人についてのみの授業がもっぱらそのために開講されていることに感心した。やはり、開講されている授業の数が東大の3倍以上はあるように思う。

また毎学期、チチェリ講座、アイザイア・バーリン記念講座などの特別講座において、アメリカやヨーロッパの主導的な学者による特別テーマの連続講義も開かれ、この際にはその特別な講師の前に教授と学生が机を並べる。講義の後の議論や質問においても、教師と学生が同じ条件のもとにそれに参加する。このような機会は、それ自体としてオクスフォードにおける学門的な活発さの印象の印象を与えた。
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by akai1127ohi | 2007-05-31 14:19 | 「持続的な瞬間」 | Comments(0)
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