Modest Comments on What I Have Read


Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
by akai1127ohi
プロフィールを見る
画像一覧

「改革の政治」と「公正なグローバリズムの政治」

『現代思想』(青土社二月号)の「研究手帖」欄に、「『改革の政治』と『公正なグローバリズムの政治』」という小文を寄せました。


冷戦崩壊から30年近くがたち、そろそろ「冷戦後」の歴史に、ミネルヴァの梟を飛ばしてもよい黄昏が来ている。1990年代以降、日本政治は「左右対立」という図式をほぼ全的に放棄し、それに代わる政治対立軸のナラティヴを見出せないまま、現在にいたるまで漂流を続けている。拙小論は、左右対立に代わる政治対立軸として、「改革の政治」と「公正なグローバリズムの政治」を提示するもので、博論後に短期集中的に取り組みたいテーマです。


もとより、政治対立軸は学者が頭で考えて現実に押しつけるものではない。それは、現実のなかから「必然的に」浮び上る。と同時に、現実のなかに潜在する新たな対立軸を掬い出し、言葉を与えて表現し、それを促進していく作業も重要だろう。それは、「必然性」を主体的に可視化させるような「理性」であり、そこに自由や規範が保たれる「すきま」も生じて来よう。


冷戦後の歴史は、いわば誰もがそれぞれ経験してきた当事者。大きな形に仕上げるにつれ、折にふれ諸賢の意見・批判を請うていきたいテーマです。

             ***


   「改革の政治」と「公正なグローバリズムの政治」


冷戦崩壊以降、五五年体制の溶解をへて、日本政治は「左右対立」を完全に喪失してきた。そしてその政治対立軸の空隙を埋めたのが、「改革」に対する態度で政治を論じるナラティヴ、すなわち「改革の政治」であった。


「改革の政治」とは、「誰が最も効率的に改革を実行できるか」を競いあう政治といえる。政治改革、行政改革、そして小泉構造改革など冷戦後の日本政治のトレンドは圧倒的に「改革の政治」であった。九〇年代後半には野党第一党も社会党から新進党へと代わり、二〇〇〇年代は与野党が「改革」を競いあう構図となった。小泉構造改革の「痛み」が顕在化し、民主党が疑似社民化して政権交代を果たすと、「改革の政治」はいびつな形で関西に移り、大阪の橋下維新に流れていく。


「改革の政治」が定めた敵役筆頭は官僚であり、リーダーシップ強化やポピュリズムと共振しながら、行政機構の効率化を進めてきた。「改革の政治」は、「ポスト左右対立」の政治を描き出す最も説得的なナラティヴであり、結果的にそれは日本の政治経済構造を新自由主義グローバリズムに適合的な形に再編成してきたといえる。

他方、「改革の政治」に対抗する勢力もまた、現在、社会運動の圧力を受けて統合のきざしを見せている。「改革の政治」からはじき出された「古い保守」、デモに引き寄せられる民進党、野党共闘に転換した共産党、旧来型の社民主義、三・一一以後の新しい民衆運動、そして脱成長を志向する緑の政治などである。


こうした諸勢力を糾合し、「改革の政治」に対峙するための結集軸として、筆者は「公正なグローバリズムの政治」に着目している。その内実となるのは、人権、立憲主義といったリベラルな政治価値の擁護、格差是正と持続可能な経済政策、そして新自由主義グローバリズムとは異なる公正なグローバル秩序の構築であろう。変動する時代のなかで自己刷新を怠るものは消え去る。しかし、運動と理論の双方で「公正なグローバリズムの政治」を作り上げていく作業に、確かな希望が眠っている。


[PR]
by akai1127ohi | 2017-02-08 00:14 | Comments(0)
ブログパーツ
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
venusgood.com
from venusgood.com
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
愛国心を育てる名言
from 愛国心を育てる名言
イカー!イーカチュー!!
from イカチュウ
総員第一種戦闘配置!!
from 司令
しょーすしょすしょすw
from びえぶ
ちょちょちょ(^^;
from さい8
ライフログ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧