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Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
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大井赤亥・大園誠・神子島健・和田悠編『戦後思想の再審判』(法律文化社2015年)

2015年安保の性格とは何か。
自分なりに端的に表現すれば、それは今のところ、「極めてクラシカルな問題に対する、極めてクラシカルな応答」と感じる。

2012年に安倍政権が再来して以来、靖国史観であれ、立憲主義の軽視であれ、自民党憲法草案であれ、そのイデオロギーは驚くほど19世紀的国家主義であり、それによって生じる課題も、立憲主義の擁護、デモ、平和の価値の再確認など、いずれも驚くほど、クラシカルな問題ばかりである。

そして、そのようなクラシカルな問題に対して2015年安保の高揚が示したのは、これもまた驚くべきほど「クラシカルな応答」と感じる。すなわち、個人が自分の頭で考え行動すること、人権を再確認すること、戦争に反対すること、「国民主権/主権在民の建前」を再確認すること…etc。a

(ちなみに、1990年代以降、「クラシカルな問題は終わった」として論壇を賑わせた、「ポストモダン」出自の言説は、その言葉によってこの現実を捉え得ただろうか。自分たちの思想と現実との齟齬を前に、「デモをしても効果はない」、「反対派との対話が足りない」と、こじらせた自己意識をもてあましてはいなかったか…….)

とはいえ、人権や国民主権といった「クラシカル」で「モダン」の価値をそのまま固守墨守すればよいわけではない。古い船を今動かすのは古い水夫でないだろう――。

「クラシカルな課題」に対して、2015年安保闘争が示した「クラシカルな応答」は、その実、2015年の文脈で新たなに「再翻訳」されている。「2015年安保の政治思想」は、「主権在民」を表現するであれ、録音された古い言葉が反復されているのではなく、自分たちの新たな経験によって獲得された言葉で表現され直している。「主権者」であることの意味が、2015年の語彙で、この社会の文法で、自分自身の抑揚で「翻訳」されている。

               ***

私自身も編者の一人となり、丸山真男から柄谷行人までの思想家を中堅若手研究者14名で論じた『戦後思想の再審判』(法律文化社2015年)を刊行しました。戦後思想を肯定的に受容した第一世代とも、体系的な批判を目的化した第二世代とも距離をとり、現代の文脈で戦後思想を再解釈する試みです。

戦後思想を「継承」することと、しっかり「再翻訳」すること。その両睨みの意識において、私にとって、2015年安保とこの論文集の作成とは、この間ずっと共振していました。

本書の意図を貫くそのような意図を、帯文で宇野重規先生がいみじくも表現してくれた。「戦後思想とどう向き合うべきか。安易なレッテル貼りが不毛なら、ありがたがるばかりも能がない。いま、若き世代が答えを示した。新時代の戦後思想史の出現である」。

10月1日刊行ですので、よろしければお手にとって頂ければ幸甚です。

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by akai1127ohi | 2015-09-27 00:45 | 散文 | Comments(0)
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