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Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
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大田さんへの応答(その1):金芝河と大江健三郎との講演を思い出して

Sealdsの声明をめぐり、大田英昭さんと一定の議論が生じました。これまでの議論の経緯は以下です。

・大田さんの意見と私のコメント(https://www.facebook.com/hideaki.ota.54/posts/425087257670895?hc_location=ufi)
・私のコメントへの大田さんの応答(http://datyz.blog.so-net.ne.jp/)

以下、あらためて、大田さんに応答します。

大田さんのご意見だと、Sealdsの声明のように、旧日本帝国のアジア侵略の責任に一言も触れないまま日本で平和運動を行なったり、日本が東アジアの軍縮や民主化をリードする責任があると主張することは日本人の傲慢な独善性である。また、戦後の沖縄の現状を度外視したまま、日本における「戦後70年の自由と民主主義の伝統」をいうことは欺瞞にすぎない、とのご趣旨です。(要約はそれ自体「暴力」ですので、原文は上記から各自確認してください汗)。

               ***

「アジア侵略の責任の清算」なるものは現在まで未解決で、また極めて重要な課題であり、その点では太田さんに満腔の同意です。この点に何の異論もありません。

とはいえ、だからといって、「それがなされないならば日本の平和運動は空念仏だ」とはならないだろうし、「戦後70年の自由と民主主義の伝統」など欺瞞で独善だ、ともならないだろう。また、日本には「東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルが」ない、ともならないだろうと思います。

               ***

大田さんの意見を拝読して、すぐ思い出したのは、1995年の『世界』臨時増刊号「敗戦50年と解放50年」の収録された、韓国ソウルで行われた、金芝河と大江健三郎の講演です。

ここにおいて、「日本が過去の侵略責任を清算し、道徳的な純潔性が保障されなければ、アジアの未来に参加する資格はありません」と述べる金芝河に対し、大江は、それを真摯に受け止め、「立派な姿勢で正座しつつ語る金芝河さんの前で、憐れにうなだれ背をかがめて耳をかたむけ」ながら、次のように述べている。

               ***

「私は〔歴史的な過ちを〕記憶しつづけたいと思います。そして日本自身の道徳的な清算、歴史的な清算のために努力したいと考えます。しかし、その清算が完了することは、私自身が生きてる間には来ないのではないか、と考えています。それゆえにこそ、記憶しつづよけよう、とするのでもあります。

私がねがうのはこういうことです。日本人は、過ぎ去った時代の歴史的過ちを清算しえていない今も、それを自覚しながら、新しいアジアに対して構想を持つことをつとめねばならぬ、ということです。日本人が、道徳的な純潔性を保障しえない今も、それを自覚しながら、アジアの未来に参加する資格はあたえられねばならぬ、ということです。

それは私たち日本人が過ぎ去った時代の歴史的な過ちを忘却して、というのではありません。その逆に、私たちはその痛苦にみちた記憶を更新しつづけながら、その重荷を担って未来に向かおうとしている、ということなのです。まだ償いをすませていない者と、まだ本当には相手を許していない者との、しかし未来の共同に向けての協力はありうる、と私は信じます」(大江健三郎、『世界』「敗戦50年と解放50年」、pp63-4)。

               ***

金芝河と大江は、いわば、太田さんとSealdsとの立場(?)とそれぞれアナロジカルになっているように思います。

しかし、大江と金芝河は、この局面で対立しているわけではない。金芝河の批判はいわば日本の良識派に対する外からのエールだし、大江はそれを受けて改めて決意表明し、その上で「まだ償いをすませていない者と、まだ本当には相手を許していない者との、しかし未来の共同に向けての協力」を求めている。

そしてこれはもはや、認識といより態度決定ですが、やはり私としては、大江の態度は実に建設的だと思います。

「植民地支配の歴史的清算」は必須の課題であり、それは未解決である。しかし、それが未解決であるにもかかわらず、韓国の民主化などでは、日本の民衆が、分をわきまえながらも声をあげたり、あるいは向こうの民衆と提携したりと、そういう課題は否応なく生じてきた。それは、中国をめぐっても、今後生じてくるだろう。

その意味では、現在のわれわれは、いわば、「植民地支配の歴史的清算」を求めることと、それは未解決であるにもかかわらずアジアに対して積極的な構想を示していくことの、二つの課題があるように思います。
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by akai1127ohi | 2015-06-27 12:57 | 政治時評 | Comments(2)
Commented by 民主主義者 at 2016-03-17 21:34 x
ぜひとも教えていただきことがあります。

あなたは金学順さんとも連帯するつもりですか。
Commented by 民主主義者 at 2016-03-17 21:34 x
ぜひとも教えていただきことがあります。

あなたは金学順さんとも連帯するつもりですか。
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