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Modest Comments on contenporary politics by Akai OHI (Twitter:@AkaiOHI)。
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政治時評(28)―エジプト政変とデモクラシーの「制度的/運動的要素」

昨年(2012年)のエジプト「アラブの春」は、私の引証枠組では、日本60年安保闘争と実に相似形に見えた。ムバラクは岸、タハリール広場は国会前で、広場の若者はブント系全学連、そしてムスリム同胞団はさしずめ、比較的原則主義的ゆえ穏健世論とはやや離れているが、最も組織的な基盤から運動を支えた当時の社会党といえようか。

               ***

そのムスリム同胞団が革命後の政治統合と「デモクラシーの制度化」に失敗し、エジプトは再びデモクラシーの「運動的側面」が前景化している。以下、新聞報道等から知る限りの印象をメモ書きしておきたい。

モルシ(前?)大統領側は国民の実質的支持を失って、ただ「民選の正統性」のみがただ漂っている印象。しかし、依然流動的な情勢のなかで、直接選挙によって選ばれた「形式的正統性」は、形式的とはいえ/であるがゆえに、無視しえない権威的力があるだろう。

民衆運動は、物事の帰趨を方向づける根本的正統性を含みながらも、その民衆運動のなかに「単一の意志」を読み取ることが比較的難しい状況と感じる。ムスリム同胞団は、今回はともすれば「悪役」とも位置づけられるが、モルシ氏支援の対抗デモも報道されており、民衆運動に「実質的正統性」がありながら、それが何を指示しているのか、明瞭に読み取れない現状と思われる。

そして、「政治の終わり」を告げるデウス・エクス・マーキナとしての「実力」(軍)。政治的正統性をめぐる混乱の収束にむけ、政治における「最終手段」としての実力が出てくる。軍は、モルシ大統領の「形式的正統性」を一刀両断に覆して、超憲法的に新たな秩序創生の役割を自認している。当座、世論や米国とのかねあいで謙抑的な姿勢をとり、混乱収拾の後のスムーズな民政移管を約束的に唱えるが、字義通り楽観するはリアリズムの欠如だろう。そうしなくても権力を維持できる「実力」を持つ以上、そうするかしないかは、あくまで軍の自己決定による、というべきものと感じる。

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デモクラシーは「治者と被治者の同一性」の理念を目指す運動と制度といわれる。運動が制度を作り、その制度が形骸化すれば再び運動が制度を批判し、新たな制度を導きよせていく。

「治者と被治者の同一性」に依拠して、形骸化した制度(たとえば代議民主政)などを批判する「運動的要素」と、一度高まったその運動に再び制度に制度的表現を与え、「治者と被治者の同一性」に向けて人々を統合していく「制度的要素」。その二つはおそらく緊張関係を伴った相互補完関係にあり、エジプトの政変はその古典的課題の現代的表出の一つと感じる。
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by akai1127ohi | 2013-07-07 00:03 | 政治時評 | Comments(1)
Commented by akai1127ohi at 2013-07-07 00:03
参照した情報はすべて2013年7月6日現在のものです。
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