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政治時評(18)―民主党の政治理念と「友愛/博愛」の行方

民主党はその立ち位置をめぐる混迷を続けている。しかしそれは、換言すれば、「民主党のあり方」は依然として流動的可能性を孕んでおり、それゆえ、民主党の理念的姿勢をめぐって、ひいては日本政治の今後の理念的対立軸のあり方をめぐって、論壇やメディアでの議論が比較的活発化しているように思える。

政治理念やイデオロギーは、(「実体」としての運動に比べ)「表象」としての観念・言葉の領域ではある。しかしそれが人々を結集し組織化するシンボルとなり、政治的対立軸を作りだすという点で、とりわけ政治的対立軸が不在化した現在、今更ながらその重要性を感じる。

民主党には明確な政治理念が欠けていたことは周知の事実だったが、2009年政権交代の際は、それでもうまくいくかもしれない(=明確な政治理念やイデオロギーのないプラグマティズムの方が実際は良く統治できるのかもしれない)という憶測もあった。しかし、3年間の民主党政権は、一定程度にソリッドな体系的政治信条を共有しない政治集団が、「自民党に代替する政権党」として存在することの困難を示したと感じる。

たとえば鳩山、菅、野田氏ら民主党政権期の主要政治家のインタビューを踏まえた、山口二郎氏のコメント。

「彼らに共通しているのは、『自分たちが何をやったのか』についてあまりよく理解していなかったということです。子ども手当や高校無償化など、社会民主主義的路線を主張した者が要求したことは断片的に政策化しましたが、『何のためにその政策を実現したのか』『その政策を実現することによって、日本の社会をどうつくり変えていくのか』という、より次元の高いレベルでの意味づけができていない。だから当時の野党やメディアから『ばらまき』と批判されたら十分な反論もできないままずるずると後退した。……政治を担った当人が、明確なビジョンや目標を理念のレベルで認識していなかったところに根本的な問題があった」(山口二郎氏、「お任せ主義を越えていま『リベラル』を獲得し直す」、『世界』、2013年3月、pp156-7)。

菅内閣の(ブレア政権を真似た)「雇用、雇用、そして雇用」も、野田政権の「チルドレン・ファースト」も、方向性としては日本社会の現状の必要性と一致していたと思うが、そのような個々の政策を確信を持って支える盤石の理念的大義に基づいていないため、大変表層的な、「口をついて出た」程度の掛け声になってしまった。

2009年政権交代の失敗以後、あらためて、「自民党的保守」に対抗する、「社会民主主義的理念」あるいはそれを基盤としつつそこから派生したイデオロギーの「日本における」確立作業の必要性を強く感じる。

                    ***

民主党はこの点、依然として複雑な存在としてあり続けている。

たとえば細野幹事長。
昨今の細野氏は、民主党の政策や政治的理念に関して、憎いほど慎重に言葉を選んでいる。細野氏は、最新の『中央公論』(2013年3月号)で、田原総一郎に民主党の基本姿勢を問われ、次のように述べている。

「フランス国旗の三色はご存じのように『自由、平等、博愛』。この最後の『博愛』が政治の枠組みのなかでどんな位置づけになるのか、よくわからなかったんですが、特に政権を担うようになってから、非常に大事なものだと実感したのです。……自民党の人に三つからどれを選ぶかと聞けば、やはり『自由』だと思うのです。そしてかつての社会党は『平等』。では民主党は?というところで、今まで『自由』も大事、『平等』も大事、と揺れてきた面があるのですが、『博愛』を『共生』と言い換えて、この価値こそ重要で、そこに党が依って立つ基盤があると考えたんです」(細野豪志氏、「民主党は何を掲げて闘うのか」、『中央公論』、2013年3月号、pp51-2)。

2009年の民主党政権交代直後、民主党の性格について政治学の宇野重規先生が、旧社会党系の社会民主主義、小沢氏に代表される地域重視の保守主義、鳩山由紀夫氏の「友愛」に象徴される道徳主義的な自由主義という、いわば「民主党のトゥリアーデ」を指摘されていた。

そのようなトゥリアーデは本来理想的なものであったが、民主党政権の3年間を見ると、たとえば鳩山氏的な「友愛」は思想的に寄り合い所帯の民主党を纏めることができなかった。

現在の民主党がなお「博愛/友愛」「共生」を唱えるとすれば、それは、その「博愛/友愛」を、「自民党的保守」に対抗しえる確固とした理念へと鍛え上げる作業を伴わなければならないだろう。ゆめゆめ、「リベラル」「社民」といった言葉は嫌だという保守系議員への配慮から、曖昧模糊とした「友愛/博愛」でお茶を濁しましょう、という方便であってはならないはずだ。
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by akai1127ohi | 2013-04-20 00:47 | 政治時評 | Comments(0)
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